引越しで遅延が発生するというのは、よくあることですが依頼主からしたら困ったものです。
引越しの遅延が生じる理由としてはいくつかありますが、代表的な理由としては引越しの開始時間が予定よりも遅くなることによる遅延です。
特に繁忙期の引っ越し場合、引越し業者は1日のうちに複数件の引越しを引き受けて、同じトラック、同じ運転手、同じ作業員で現場を回すことは珍しくありません。
引越し業者が原因の遅延を防ぐためには
例えば、昼から引越し作業開始予定であった場合、朝から引き受けている別の現場が予想より荷物が多かったとか、道路が渋滞していたなどの理由により遅延が発生した場合、昼からの自分の引越しも遅延のあおりを受けて引越し開始が遅れてしまうことになります。
このような理由での遅延を防ぐためには、可能な限り朝一番の引越し作業をしてもらうことです。朝一番の引越し作業であれば、前の作業現場の遅延のあおりを受けるということはなくなります。
引越し業者が原因で遅延する理由
引越し作業が遅れるもう一つの理由は、引越し業者のスケジュールの詰め込み過ぎで作業量が多くなることや、見積りの段階で作業量の割り出しと作業の割振りにズレが生じている場合です。
見積もりをする担当者も、それまでの経験を元に引っ越しの作業量を割り出し、そこから必要な人員を手配させていますが、これも絶対的なものではありません。多少のズレが生じるのは致し方ないことです。
そのため、引越しが予定より遅れることは十分あり得ると思っておき、できるだけ余裕を持たせた引っ越しスケジュールにすることが望ましいです。
依頼主は引っ越し予定時刻の直前や直後に別の予定を入れないようにしておき、多少の時間のズレがあっても吸収できるように、余裕を持ってスケジュール管理しておくのが一番です。
引越し業者が原因で遅延した場合の損害補償について
予定よりも引越し作業が遅れたことで具体的な損害を受けた場合は、その損害を補償してもらうように引越し会社に求めることができます。
しかし、引越し業者が原因で遅延した場合の具体的な損害額を算定することは困難な場合がほとんどです。
「予定どおりに引越し作業が終わらなかったために疲れてしまった」とか「引越し作業の遅延が原因で夕食を食べる時間が遅くなった」というようなケースは、個人的な損害といえば損害かもしれませんが、これらの理由で引越し会社に具体的な賠償を求めることは困難です。
「本当ならば、その日のうちに役所への届けを済ませられるはずだったのに引越し作業の遅延で届出がきなかった」というようなケースも同じようなものです。
例えば、「引越し作業が遅延したことで、その日は旧居でも新居でも寝ることができなくなってしまい、周辺のホテルに宿泊せざるを得なくなってしまったと」いうようなケースであれば、これは明らかに金銭が発生した具体的な損害です。
宿泊したホテルの領収書を引越し会社に提出することで、宿泊料金全額、または一部を引越し業者に支払ってもらうことができることもあります。
ただし、金銭が絡む具体的な損害を引越し会社に賠償してもらうためには、色々な手続きや資料提出、書類の記入など手間がかかる場合もありますので損害額と手間を天秤にかけてよく検討しましょう。